瞬間英作文の活用ガイド
瞬間英作文はスピーキングのトレーニング方法の定番の一つですが、その特徴をまとめ、特にパタプライングリッシュご利用者の方におすすめできる活用法を紹介します。
瞬間英作文とは?
短い日本語を見たり聞いたりして、瞬時に英語に変換して口に出す練習のことを言います。
話すトレーニングの一つとして以前から行われていた方法ですが、「英語上達完全マップ」で有名な森沢洋介氏が「瞬間英作文」という言葉を考案し、著書の「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」で使い始めてから大きく人気が出たものです。
「英作文」という用語が学校の和文英訳を思わせるので誤解されやすいのですが、和文英訳と異なり、日本語はあくまで英文を思い出すためのヒント、きっかけの役目を果たすものです。
瞬間英作文を行うための書籍や専用の市販アプリが数多くありますが、ChatGPTで無料、かつ自分用にカスタマイズした瞬間英作文の練習も行えます。
瞬間英作文のメリット
瞬発力を鍛えやすい
与えられた日本語を英語に変換するまでの時間を制限することで、瞬発力が鍛えられます。
手持ちのフレーズの数を増やしやすい
さまざまな文型や構文、語彙をランダムに練習できるので、多数のフレーズを短期間にインプットできます。専用アプリやChatGPTを使う場合、自分の業務や特定の状況を指定して課題の日本語を生成させれば、自分に必要な表現や語彙を用いたフレーズを集中的に学ぶこともできます。
自分の弱点に気づきやすくなる
課題の正解文と自分で作った文を比べることで、自分の弱点に気づきやすくなります。専用アプリやChatGPTを活用すると、模範解答を示されるだけでなく、学習者の回答に大きな問題がない場合はその点も評価してくれるため、『完璧を目指さなくても良い』という気づきが得られます。これによって、間違いを恐れて発言できないという日本人に多く見られる心理的障壁を乗り越え、良い意味での積極性を身につけることができるようになります。
アクティブリコールにより記憶への定着速度が速まる
日本語のヒントをもとに英文を瞬時に思い出すという作業は、情報を自分の記憶から積極的に引き出すアクティブリコールという学習プロセスなので、学んだ英文の記憶への定着が早まるとされています。
瞬間英作文のデメリット
丸暗記で終わってしまうと実用的でない
瞬間英作文でトレーニングする学習者の多くが、日本語に対応した英文を暗記するだけで終わってしまいがちです。”Nice to meet you.” や “I apologize for the inconveniences.” などと言った決まり文句以外は、丸暗記したフレーズをそのまま使える場面はめったにないので、実践に結びつきません。
チャンクで英文をとらえる感覚を掴めないと応用文が作りにくい
丸暗記で終わらせないためには、英文を繰り返し口に出しながら応用する練習が必要ですが、英文をチャンクでとらえる感覚を掴めないと応用の要領が分かりません。
手続き記憶に入るまでの反復練習をせずにやがて忘れてしまう
言えるようになった英文は何度も反復練習をしないと手続き記憶に入らず、自分で使えるようにはなりません。漫然と次々に新しい課題文をこなしていくだけだと、示された模範解答を見て「なるほど、こういう風に言うんだ」と感心するだけで終わってしまいます。
頭が英語モードにならない
日本語起点で練習するため、言いたいことをまず日本語で頭の中で文にしてから英語にする癖がついてしまうことがあります。これだとスピーキングの上達は全く見込めません。会話の流れについていけませんし、2つの言語を頭の中で処理しながら話すこと自体が同時通訳者でない限り無理だからです。
瞬間英作文の上手な活用法(専用アプリやChatGPT活用のケースも含む)
瞬発力を意識したトレーニングをする
課題文を英語にするまでの制限時間を3秒程度から始めて1秒までに縮めましょう。3秒以上の間があると会話のテンポに影響が出ますし、相手によってはそこで割り込んできます。
シチュエーションをなるべく特定する(専用アプリやChatGPT活用)
自分がそのシチュエーションで必要となりそうな語彙、チャンク、表現、構文を集中的に練習することで、効率の良いトレーニングができます。得意なシチュエーションが増えてくると、やがては初めてのシチュエーションであっても、手持ちのフレーズや表現を言い換えることで、なんとか対応できるようになります。
丸暗記でなく実践に結び付ける練習をする
現実の場面を常に想像して口に出して応用練習することがポイントです。その場合、実際に相手に向かって話しているつもりで、登場人物になりきって発話します。応用する余地のほとんどない決まり文句でも、言葉に感情や意図をこめて発話しましょう。パタプラ学習者の場合、チャンクをパーツのように取り替えたり、チャンク単位で文を続けて話していく感覚が体得されているので、応用練習はそれほど難しくはないはずです。
復習計画を作って反復トレーニングする
パタプラの場合と同様、新しく学んだ英文は定期的な復習を行うことで定着させてください。エビングハウスの忘却曲線を活用することでより効果的に反復トレーニングが可能です。
自分の弱点を意識して補強していく
模範解答と自分の答えを比較し、自分の答えのどこに問題があったのか確認して次回から同じ間違いをしないように心がけましょう。
専用アプリやChatGPTで問題点に関する説明がある場合は、説明に疑問があれば納得できるまで質問をしましょう。
特定の文法項目(例:現在完了形、仮定法、関係詞など)に焦点を当てる
ChatGPTを使っている場合は、ミスを犯しがちな文法項目に焦点を当てた例文や練習問題を作らせてトレーニングすることができます。
※「ChatGPTの活用ガイド」もご参照ください
瞬間英作文の上手な活用法(専用アプリやChatGPT活用のケースも含む)
※「ChatGPTの活用ガイド」もご参照ください
瞬発力を意識したトレーニングをする
瞬間英作文を行う市販アプリもありますが、ChatGPTで手軽に無料で自分用にカスタマイズした練習ができます。
プロンプトに以下の点を含めることで目的に沿った練習ができます。
・瞬間英作文を行いたいこと
・間違っていたら訂正が必要なこと
・他の言い回しも教えてほしいこと
・解説は日本語でもらいたいこと
・トレーニングしたい回数
(さらに細かい指示として)
・問題文は●●でよく使われる語彙やフレーズから作成してください
・学習者の属性
指示の例
「私と瞬間英作文をしてください。私の英語が自然でない場合は修正してください。英語表現として、より適切な言い回しがあれば提案してください。解説は日本語でください。質問と回答を1問ずつ進める形式で、計10回行いたいです。問題文の半分は自動車の製造と組み立てでよく使われる語彙やフレーズから作成してください。
私の属性は以下のとおりです。
・40代男性、妻と住んでいる
・会社員
・ベトナムに駐在で来ている
・趣味は音楽、旅行、料理」